地域に関わりたいなら、「足し算」と「掛け算」を使い分けること

こんにちは。福井県で地域まるっと体感宿 玉村屋を運営しているナカタニ ショーです。

 僕は5年前に福井県南越前町に移住してきて、地域おこし協力隊制度を使っていわゆる「地域おこし」に関わってきました。任期終了後、地域まるっと体感宿玉村屋を開いたわけですが、その宿を運営するための法人の名前を「ぷらすたいむず」と名付けました。あまり表に出ていないので、知らない人も多いのですが・・・笑

 なぜこの名前になったのか、今日はそのことをお話したいと思います。

▼先日、こんな感じのツイートしました。

このツイートを解説していきたいと思います。

移住者や地域おこし協力隊として求められていること

 「地域おこし協力隊」や「移住者」と聞くと、「外からの視点で今までにないことをやってほしい」というニーズがあるから入ると思われがちですが、実はそうじゃない部分もあったりします。

日本の「地方」や「田舎」と呼ばれる地域は、人口減少という問題を抱えています。毎年、人口が都市部に流出したり、人生を卒業する先輩たちがいる。その中で、地域の担い手となる人が減り、毎年やっていた行事も人手不足で「縮小」や「休止」といったことが日常茶飯事。そんな地域にやってきた移住者は、この地域に今までなかった新しいことをしようと思っても、「こんなところに人は来ないよ」と地域住民に言われてしまうことも。
 こういった現状を見ると、地域住民にとって「外からの視点で新しいことをする」というのは求められていないのかもしれません。

 地域住民にとって必要なのは「今までやってきたことを維持するための人手」であり、新しいことをしてくれる人ではないという地域も数多く存在します。

「地域を変えたい」ってどこから目線??

地域おこし協力隊の募集サイトには「地域を変える力になろう」と堂々と書かれています。この一文に惹かれ、地域おこし協力隊になった友人も多く知っています。協力隊じゃなくても「地域に役に立ち、地域を変えていきたい」と想い、地方移住をする人も多いのではないでしょうか。
 このように考え、移住したり、協力隊として活動をした人たちが地域と上手くいかなかった話を数多く聞いてきました。その中で僕自身が感じたことは「地域を変える」なんておこがましいと言うことです。

 その地域に長く住み、地域を守ってきた人たちに「地域を変えたいんです」って失礼な言葉だなと思っています。なぜなら、「変えたい」=「今までにやってきたことを否定すること」になりかねないから。
 だから、僕は「地域を変えたい」なんて思ったことは一度もありませんし、言ったこともない。とはいえ「住まわせてもらっている」というのも謙虚すぎるかもしれないと思っています。同じ人間として対等に暮らし、地域での役割をこなしながら、自分のやりたいことを実現していっている道の途中にいます。

地域は「変わりたくない」のか?

 とは言え、地域住民も「このままではいけない。変わらなければ」と思っている地域があるのも事実。そういう場合に、地域住民が役所に「うちの集落の人口減少をなんとかしたい」などと相談した結果、移住促進に取り組んだり、協力隊を入れたりするという方法が取られることがあります。

 そう思うと「変わりたい」と思っている地域もあるにも関わらず、なぜ自分たちの手でやっていけないのか。そこには「常に人手不足」という課題があるのです。人口が減っていくと、今までやってきたことを維持するだけでも精一杯になります。その結果、新しいことに取り組む余裕がない。

 そこにやって来た移住者が「新しいことをやりましょうよ」と言っても「そんなこと言っても人手がない、それよりも土地を守る草刈りをしてほしい」と言われてしまう状況が出てきているのです。

4.だから、まずは足し算の支援。そして、掛け算

そのことを踏まえ、自分自身がやっていきたい仕事には「足し算の支援」と「掛け算の支援」を分けて考えていく必要があると考えました。この考えは、明治大学・小田切徳美先生が提唱する「誇りの再生のプロセス」を参考に、一般社団法人村落が提案したものを基に、自分なりの解釈を入れました。

これが、2017年10月に書いた法人の設立趣意書です。

 最初からなにか新しいことをするのではなく、まずは地域のお祭やイベントなど地域が維持したいものに、人材を送り込むことで「外からわざわざ人が来てくれる地域なのだ」と感じ、「心の余裕」を持ってもらい「地域への自信」を少し増やしてもらう。

 その後、余裕ができたところに我々が持っているスキルを活かした「新しい取り組み」をやってみてはどうかと提案し、掛け算のお手伝いをしていくと言うことが効果的だと考えています。

 ゼロであるものに、100を掛けてもゼロから変わらない
 最初にゼロにイチを足してから、100を掛けると、100になる
 ゼロと100の差は大きい

 私たちの仕事はこのようなものであると考えており、それを会社名として名付けました。

地域に住む私たちだからできること

地域に関わる人々は世の中に数多くいます。その中でも実績を積んでいる(ように見える?)地域系コンサル会社や大学の先生にはできない私たちだからできること。それは「一人の住民になる」ということです。東京などの都市部にいながら地方に通い調査し、提案することは、人の話を聞き考える二次情報に過ぎません。しかし、二次情報を幅広く持てるのはコンサル会社や大学の先生の強いところ。だから私たちはそこに関わるのではなく「地域住民として感じることから、実践に移し、そこから得た情報を横展開していくこと」を大切にしています。実践に勝る知恵なし。

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ほどよい「地方移住」を実現するコンパス

 東京の会社に勤め、帰りは日付が変わる頃。土曜日、目覚めたら夕方になっていた。これが、8年前の自分自身です。
 その当時は、今の「複業暮らし」なんて想像もしていませんでした。
 だから、あなたも大丈夫。複業暮らしは誰でもすることができます

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