マイクロツーリズムが地域おこしになる理由

 こんにちは!福井県で地域をまるごと体感できる宿「玉村屋」の運営をしているナカタニ ショー です。

 世の中の大きな変化により、大打撃を受けている業界のひとつである「観光業」僕がやっている宿屋もここに含まれています。感染が拡大する中、旅行が好きな方でもなんとなく旅行には出づらいなぁと思っている方も多いと思います。

 そんなときでも近くなら、出かけづらさも減ると思います。自分が住んでいる地域を盛り上げるため、近くを旅する「マイクロツーリズム」にでかけてみませんか??

マイクロツーリズムってなに?

 2020年春。日本や世界に感染症が広がり、海外からインバウンド旅行者だけでなく、日本人も旅行に出かけなくなった頃、星野リゾートの社長が提唱し始めた「マイクロツーリズム」。これは、自宅から1時間から2時間圏内の地元または近隣への宿泊観光や日帰り観光のことを言います。

 つまり、多くの場合「旅行」というと、片道2時間以上かけ、都道府県をいくつかまたぎ観光地に行くことが多くありました。1時間もしくは2時間県内だと、旅行というよりは日帰りの遊びかもしれません。

 こう聞くと新しい概念のような気もしますが、1970年代以前は、日本の温泉地や観光地の市場の大半だったと言われています。ここ、30年で交通網が整備され、移動コストが下がったため、「どうせ出かけるなら遠くへ・・・」という考え方にシフトしてきたようです。

実は知られていない地元

 僕は今、宿をやりながら町内の歴史遺産を回るツアーを作る仕事もしているのですが、実際に参加された方の多くは町内を含む福井県内の方。その中でも「地元なのに、この観光地には来たことがなかった」という声が多く、いつも近くにあるものだからこそ、あえて行かないのだろうと感じています。

 そんなツアーに参加された方の感想を聞いてみると、「知らなかっただけで良いところだった。」「また来たいと思う」と言った声が出てきます。

 玉村屋がある福井県南越前町というのは、福井県民の7割くらいが行ったことがない場所(個人の感想です笑)。そんな地域が全国各地にあると思います。むしろ、近場の人が今までに訪れたことがない場所ほどチャンスかもしれません。今なら「でかけたいけども、県をまたぐのは・・・」と考えている人も多くいるからです。 

いつの間にか消えてしまった「マイクロツーリズム」

 一時「マイクロツーリズム」という言葉が世間的に(観光業界だけかもしれませんが、)広がってきて、その方面に向けて舵を切ろうとしていたときに、GoToキャンペーンが始まってしまいました。しかも、旅行会社を通したら、交通費まで割引になるというもの。

 そうなると、「どうせならお得になる方に行きたい」と考えるのが人間の心理。いや、むしろ今、遠くに行かないと「損する」と考えてしまうのが人間です。(これを心理学では損失回避の法則と言います)

 その結果、近場に旅行に行く「マイクロツーリズム」は消えてしまい、遠くへ遠くへということになり、人が積極的に移動することになってしまいました。

 感染拡大により、GoToキャンペーンが一時停止になった今でも、マイクロツーリズムに切り替えないのは「再開されたときに安くで遠くに行けるのに、今のタイミングで近くに行くのは損だ」という心理が働いているのかもしれません。

マイクロツーリズムが地域おこしになる理由

 そんな紆余曲折、急展開の時代の流れに消えかけているマイクロツーリズムですが、実は「地域おこし」になるのです。その理由は3つあります。

① 広報部長を数多く排出できる
② 地域にお金が落ちて、地域でお金が回る
③ リピーターになる可能性がある


 順番に見ていきましょう。


 地元の人が地元を知らないと、友達に「遊びに行きたいんだけど、なにかある?」と聞かれたときに、「いや?なんもないよ」と言ってしまうと思います。特に地方に住んでいるもしくは住んでいた経験がある人は納得してしまうのではないでしょうか。なにもないって言ってしまいますよね。だって自分自身が知らないし、見たこともないから記憶の中には入っていないのです。
 だからこそ、知ってくれることで人に伝えてくれる「広報部長」が育っていくのです。


 続いて、衰退している地域の特徴でもある「お金が地域外に出てしまうこと」を防ぐことができるのです。地域にお金が落ちれば、そのお店から自治体に税金として支払われ、その税金が地域のインフラを整えたり、行政サービスの原資となっていく。だから、暮らしやすい地域ができるのです。


 一方、お金が地域外に出ていってしまうと、地元の自治体に税金が入らなくなり、行政サービスが低下していくと暮らしにくくなり、人口流出してしまい更に税収が下がるという負の循環が生まれてしまうのです。

 どれだけ良い観光地だったとしても、片道5時間、交通費3万円以上かかると、気軽に再訪することは難しくなり、1年に1回とかの頻度になってしまいます。これが近いと年3,4回になったりもっと多くなるかもしれない。だからこそ、近い人にファンになってもらえるとリピーターが短期で来てくれることにより、収入が増えていくことになるのです。

 何度も来てくれるリピーターがいることの良い効果は収入面だけではありません。お客さんを受け入れるお店も、何度も同じ人が来てくれて顔見知りになると張り合いが出て嬉しくなると思います。だから、気持ちの面でも地域の人を元気にしていく効果があるのです。

だから、マイクロツーリズムは「地域おこし」になる

 地元だからこそ行ったことがないし、遊びに来る友達に聞かれたときに「なにもないところだよ」と言ってしまう経験があると思います。
 自分が生まれ育った場所だからこそ、遠くに行きづらい今の間に行ってみて、地域を知り人に伝えていくのもいいのじゃないでしょうか。

 そうしないと、数年後、数十年後に地元に戻ったときに活気のない地域になっているかもしれません。今だからできることをしていきませんか?

「なにもない」地域だと思っていませんか?

そんな場所でも地域を体感できるツアーづくりをお手伝いします!

お仕事依頼はこちらからどうぞ ⇩ https://sho881112.jp/contact

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 東京の会社に勤め、帰りは日付が変わる頃。土曜日、目覚めたら夕方になっていた。これが、8年前の自分自身です。
 その当時は、今の「複業暮らし」なんて想像もしていませんでした。
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