今日もご覧いただき、ありがとうございます。福井県の人口1万人くらいの田舎町で地域をまるごと体感できる宿「玉村屋」の運営をしているナカタニ ショーです。地方移住して宿の運営やオンライン講座、観光協会のお仕事など複数な収入源で、心豊かに暮らしています。
このnoteでは、そんな僕が「地方移住」に興味がある方に役立つ情報をお届けしています。移住前の自分が知りたかった情報を中心に発信しているので、よかったらフォローしてください^^
田舎暮らし6年目の僕のもとへはありがたいことに、移住の相談が寄せられます。そんな中であるのは「移住先をどうやって決めましたか?」という質問。今日はそんな質問に答えていきたいと思います。
1.『移住したら、そこに住み続けないといけないから、一発勝負』はウソ
これから移住したいと考えている人の多くは、移住先選びに慎重になります。その理由を聞いていくと「一度住んだら、ずっと住み続けなければいけないから」という声が多く返ってきます。
僕自身も、東京から地方に移住するときはそう思っていました。東京から岐阜県白川村に移住するときは、そのままずっと住み続けなければいけないと考え、移住先としていいのかどうかを慎重に考えていました。
だからこそ、インターネットで失敗例などを調べて、知識だけの頭でっかちになってしまっていました。
実際に白川村に移住しましたが、実は2年で福井県に移住してしまったんですよね。福井に移住したあとは、わりと理想通りの暮らしをおくれています。そして2回移住したことによる弊害は今のところなにも感じていません。
「最初から慎重に考えて、福井を選べばよかったんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、僕の場合は、白川村に移住して初めて地方での暮らしを体験し、そこからさらに「理想的な暮らしイメージ」が固まっていきました。実際に一歩踏み出してみえた景色は、それまでの都会暮らしとは全く違ったのです。
だからこそ、一度住んでみてだめだったらまた動けばいい。
少し話はそれますが、以前は一度会社に就職すると「終身雇用」として働き続け、「転職なんてありえない。落ちこぼれがやることだ」といったような風潮があったと思います。それがいまや新卒で入った会社に定年まで勤め続ける人の方が少数派。
初職が正規雇用で、一度も退職することなく「終身雇用」パスを歩んでいる男性(退職回数0回)は、今や、30代後半で42%、40代で38%、50代前半で36%に過ぎない。
内閣府/「人づくり革命 基本構想」
つまり、2人に1人は転職する時代になったのです。これを移住に言い換えると、今は地方移住経験者が少数派でもいづれは、「自分のライフステージに合わせて居住地域を選ぶ」ことがスタンダードになる時代が来るかもしれません。
2.ダメだったときに動けるようにしておく
このようなことから見ても「移住=一発勝負」ではなく、「何回目かで満足すればいい」もしくは「その時の満足度に合わせて変えていけばいい」と考えれば大丈夫なのです。
そのためにはどうすればいいでしょうか。「動きやすい状態にしておく」ということが大切です。
例えば、移住先で新築一軒家を30年ローンで組んだとしますよね。そうなると、その家のローン完済もしくは、損しない価格で売れるまで足かせになるわけです。
日本はまだまだ「中古住宅」を買うよりも新築を立てたいという意向が強い傾向があります。だからこそ、ローンの残っている中古物件を売るのはなかなか大変かもしれません。だからこそ、「この地域に住み続けられる」と確信するまで家は買わない方がいいと思います。
3.動きやすい物件の探し方
移住するのに最初のおすすめは「賃貸用アパート」もしくは「賃貸用一軒家」です。賃貸アパートはみなさんのイメージと全く同じでしょう。もう一つ「賃貸用一軒家」はあくまで貸す用につくられた一軒家という意味です。このあたりを解説していきますね。
地方移住で家探しと聞くと「空き家を借りて・・・」というイメージもあると思います。実はこの「空き家」というのを細かく見ていくと「賃貸用の空き家」と「所有している空き家」に分かれます。
違いは「借りやすい」のと「返しやすい」ということ。例えば、両親が住んでいたけど、住まなくなって空き家になった一軒家を所有している人は「貸し続けたい」という思いが強いのです。だから、返したいと思っても言い出しづらい雰囲気があります。それよりも最初から「賃貸用」として物件を所有している人は「貸したり、返されたりがあって当たり前」と分かっているので、返すときも返しやすいのです。
4.「賃貸」物件がないときの方法
どうしても借りれる物件がなかったときは、2つの方法があります。
1つは、住みたい地域の近隣の都市部の賃貸物件を借りて、住みたい地域に気軽に通える状況にして家探しを継続するという方法です。これは、田舎の物件は田舎ならではの特徴があります。
地方には住む家がないと話題になりますが、空き家はあるんです。けど、なかなか貸してくれない。
要因はいろいろあって
①どんな人かわからないのに貸せない
②息子が戻ってくるかもしれない90%くらいは戻ってこない)
③周りにお金に困って貸したと思われたくない
など。#地方移住#地域おこし協力隊— ショー@地域体感宿”玉村屋”/複業ワーカー (@sho881112) February 24, 2019
田舎の空き家がネットに出ない3つの理由
① 空き家であることを知られたくない(防犯上)
② 近所に迷惑をかけたくないから、誰でも住んでほしいわけではない
③ 家を売り貸しに出すほど、お金に困っていると思われたくないこれを解決できるなら、安くてお得物件が見つかる
それが、近所の人の紹介— ショー@地域体感宿”玉村屋”/複業ワーカー (@sho881112) August 31, 2020
そして、インターネットに出回ることが少ない。だからこそ、近隣に住んでみて何度か通ううちに、信頼してもらえて、ネットに出てこない物件の話が舞い込んでくるようになります。
もう1つの方法は、自分が住んだあとに売れる物件を買うと言うことです。賃貸物件よりも売り物件が出回ることが多いのです。だって使わなくなった物件を所有している人は、売ってしまったら管理とかしなくて楽になりますよね。だから、貸すのはだめでも売れるなら売りたいという所有者さんが多いのです。
賃貸にしたい理由は「動きやすくする」ということ。もし、この理由が達成できるのであれば、賃貸にこだわる必要はないのです。自分が住まなくてもいい状態が作れれば、家を買ってしまってもいいわけです。だから、付近の相場より安い家を買って、人が買いたくなるようなリノベーションをしたりしてみる。そうすると自分が使わなくなったときでも売れるようです。
あとは裏技としては、家を解体して土地を返すまでを込みでコスト計算する。もしくは、買った物件を賃貸にするという技もあったりしますが、細かくなってしまうので、気になる方がいれば書いてみたいと思います。
5.最後にいちばん大切なのは「嘘をつかないこと」
一度移住してきて地域にとけこんでいくと、地域住民から「ずっと住み続けてほしい」と言われることが多くあります。もし、そのときに「永住します」と言ってしまうと、地域住民からはそのつもりで、いろんなことを教えたり地域の役割をお願いしたりされることになると思います。
変化しやすい時代だからこそ、誰もその地域に住み続ける保証ができない。だから「住み続けます」と言ったことが結果的に嘘になってしまうかもしれない。そのときに「住み続けてくれると思ってたから、そのつもりでいろいろ教えたのに」と信頼を失いかねないのです。
だからこそ、僕自身は「住み続けます」と言ったことは一度もありません。それでも、地域住民はひとまず住んでくれただけで嬉しいと言ってくれる人も多く、なんも問題が起こってないので大丈夫です。あなたがその地域に住むだけで「地域おこし」になる。だから、大丈夫です。
詳しくは▼
そして、もし様々な事情で、その地域から出なきゃいけなくなったときも後ろめたさを感じる必要は一切ありません。出ていったとしても、その地域で暮らした経験があり、出ていったとしても地域の広報塔として発信していれば、その地域のためになるのです。だから、心配しなくても大丈夫。
地域おこし協力隊が任期を終えて、
地域から出ていく時に
快く送り出すべきである☑ 地域に恩を感じているので、出ていくことに悩んでいる
☑ 送り出されたときの印象が良いと
その地域の「広報塔」になってくれる自分の地域のことを
外に広めてくれる人材が増えたと考え、
快く送り出してほしい— ショー@地域体感宿”玉村屋”/複業ワーカー (@sho881112) December 26, 2019
6.まとめ
変化しやすい時代だからこそ、仕事や住むところをライフステージや時代の流れに合わせて変えることが当たり前になってきました。どれほど慎重に考えても時代が変わる。だったら、慎重に考えて一発合格を狙うよりも、じわじわ試してだめなら変えていく。そんな暮らしの作り方でもいいのではないでしょうか。
▼ about:ナカタニ ショー
京都市出身の最後の昭和生まれ。
大学を1年間休学して、自転車で日本一周をした頃から「地方に残されているものの面白さ」に気づき、地域活性化を人生の軸に据えることを決意。
東京の旅行会社では旅行を通じて地方に人をお送りし、岐阜県白川郷の宿泊施設では、泊まった方を地域の中にお送りしていく。
その中で、地域住民と一緒に地域の資源を活かして魅力を見せていきたいと思い、「地域おこし協力隊」として福井県に移住。
3年間の活動卒業後に「地域まるっと体感宿 玉村屋」を開業。
「第二の実家」「地域の日常にお邪魔する」こそが、最高の魅力になると考え日々実践中。宿以外では旅行業や観光協会事務局の仕事をしながら生きていく「複業」スタイルを実践。
あなたが人生でやりたいことを伴走型でお手伝いする「アカンパニスト」としても活躍中。
twitter:https://twitter.com/sho881112
WEB:https://sho881112.jp/
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