地方移住して早8年目に突入しようとしているナカタニ ショーです。
福井県で地域をまるごと体感できる宿の運営をしたり、観光協会の事務局をやったり、オンライン講座の運営で暮らしています。
あなたは、地方移住に興味を持ったけど、「今の環境を変えて移住して、失敗したら嫌だな」と思い、躊躇したことはありませんか?
確かに、「地方移住」と検索すると「地方移住 失敗」が検索候補として出てきます。
ということは、地方移住について失敗をしたり、失敗を心配したりするのが多くいるのではないかと思いました。
今回は「地方移住しくじり先生三選!」ということで、失敗する人を知ることで、自分自身が失敗しないために出来ることをまとめてみました。
自分の価値観を押し付けて、自分軸だけで考えてしまう
決め台詞は
都市部から移住してくる人で、都会でやってきたことが正しくて、田舎でやっていることは遅れていると考えている人がいます。
確かに、発展していく技術を取り込んで新しいライフスタイルや価値観に変えていくことも良いと思います。
そういう暮らしを送ってきた人から見ると確かに地方の考え方は時代の変化についていってないかもしれません。
しかし、そこで暮らす人たちは、その変化を求めているでしょうか。
それぞれの地域には、その土地を守ってきた人々のプライドがあります。
それを移住者が「都会ではこうなってるので、こうしないと生き残っていけませんよ」なんて偉そうに言ったら、今までにやってきたことの否定になりますよね。
「いやいや、そんなことやらないよ」と思う人もいると思います。僕自身もそうでした。
しかし、「移住者ならではの目線で聞かせてほしい」と言われると、ついつい調子にのって、無意識的に持っていた「田舎は遅れている」という考え方からの言葉を発してしまうのです。
それに気づいたのは移住から半年くらい経ったときの住民の会議。
「例年通りでいいんじゃないかな」という声が出る中、僕を呼んでくれた人が「移住者目線ではどう思う?」と聞いてくれたのです。
いやー、言ってしまいましたよ、いろいろと。
20後半の移住者ペーペーが、40代~50代の地域の先輩に向かって良くもあんなに言えたものです。場の雰囲気が凍っていくのを感じました。
今の僕だったら、全部は言わず段階をおって順番に伝えていくと思います。
今年はこれを伝えて、みんながやっていけそうなら次の段階。無理そうなら元に戻す。
自分が持っている知恵を必要とされれば伝えるけども、必要とされないなら押し付けない。伝えるときでも伝え方に気をつける。
これが、失敗しない一つの方法だと思います。
移住前のリサーチが不十分
決め台詞は
あなたは、地方移住をしたいと移住先を決めるときに、頼る情報源はどんなものがありますか。
全国の自治体がこぞって移住促進をする中、移住希望者が情報を得られる手段が増えてきました。
自治体のWEBサイトで調べたり、自治体担当者と面談ができる「移住フェア」で話を聞いたり、そして現地に見学に行き、自治体の担当者が案内してくれる。
それだけで移住先を決めようとしていませんか。
これが危険なのです。
なぜなら、実際に暮らす中で関わるのは自治体の職員ではなく、地域住民がほとんど。
だからこそ、移住先を決める前に地域住民と関わり、どんな人がいるかを知ることが大切なのです。
では、どうすれば良いのでしょうか。
何度も通ってみれば、だんだんとつながりができ、地域に暮らす人たちのことがわかってくる。
その人たちの実際の暮らしを聞くことによって、「思ってたとの違う」と思う可能性がかなり下がってくると思います。
もし、気になる地域が遠方で気軽に通えないという場合は、少し長めの期間をとって「お試し居住」をすることや、まずは近くの地方都市に移住してみて気になる地域に通う「二段階移住」という方法があります。
全国の自治体では、移住者を呼び込むために安価で中長期での滞在ができる「お試し住居」を準備してくれているところも多くあります。
例えば、福井県越前町にある「お試し住居」
海辺の暮らし「Mohage」(モハージュ)/里山の暮らし「laugh-la」(ラフーラ)
https://www.town.echizen.fukui.jp/kurashi/04/07/p004063.html
こういったところだと、移住後のイメージができるようにスーパーや直売所で買い物したり、地域の行事に参加したりすることができます。
しかし、気になっている地域にお試し住居があるとは限りません。
そんなときは、民宿やゲストハウスに中長期滞在してみることもいいかもしれません。
ホテルや旅館ではなく、民宿やゲストハウスはその地域に住む人が運営している場合が多く、リアルな暮らしを聞いたり、体験したりすることができるかもしれません。
もし、「中長期で休めない」「滞在できる場所が気になる地域にない」ということであれば、いっそ、移住してしまうのもありだと思います。
そんなときにおすすめなのが、「地方都市」への移住です。
地方都市は、賃貸物件なども充実していて、会社勤めの求人も豊富にあることも多いです。
だからこそ、暮らしが今までと変わりにくく、イメージがしやすいことにより「思っていたのと違った」となる可能性も少ないのです。
まずは地方都市に移住し、休日はもともと気になっていた地域に通うことによりつながりができてきて、地域をしっかりと知った上での移住ができます。
暮らしをお金でしか見ていない
決め台詞
地方移住は支出が下がると思っていませんか。
確かに、家賃は下がることが多いですが、逆に都会では必要がなかった自動車を維持する費用が出てくるかもしれません。
他にも自治会費などがかかってくることもあります。
さらに、会社に勤めるのであれば、平均的には都会よりも賃金が下がるのも事実。
そう思うと、地方移住したら収入は減るけども、支出も減ると考えていた計画はつぶれてしまいます。
こう聞くと、「支出が下がるから地方にいこうとしていたのに、やめようかな」と思うかもしれません。
しかし、暮らしはお金だけではなく、俯瞰的に見ることが大切だと思います。
例えば、水を買わなくても水道水から出てくるのが美味しい水、産地が近いから直売所で新鮮な野菜を食べることができる。
空気が汚れていないから、喘息などの症状が改善されたという声を聞くこともあります。
そう思うと、都会にいるときと収支面は変わらない、
むしろ少しマイナスかもしれないけども、ストレスが貯まらないから、将来的に考えると身体に良いということもあると思います。
まとめ
今回は、「地方移住しくじり先生三選!」ということをまとめてみました。
自分の現状を知り、理想を明確にする。その理想に近づけるような移住先を探すのが良いと思います。
とはいえ、慎重になりすぎて、一歩進めないのはすごくもったいない。
そうであれば、「いつでも撤収できる体制」をつくっておいて、ある程度のところで動くことも必要かもしれません。