地方移住して8年目、複業家として暮らしている、ナカタニ ショーです。
福井県で地域をまるごと体感できる宿の運営をしたり、観光協会の事務局をやったり、オンライン講座の運営、農家さんのお手伝い、ブログなどで8個の収入源で暮らしています。
地方移住するときの課題のひとつとなる 仕事
都会では多くの人が“就職”を選ぶと思いますが、せっかく理想的な暮らしを実現するために移住するのだから、仕事も今まで自分がやりたかったことで開業したいと思う人もいるでしょう。
今回は法人として宿運営を中心に運営している自分自身が開業前後でやったことをお伝えしたいと思います。
宿開業だけではなく、開業全般に役立つ内容にしているので、カフェやアトリエなどご自身がやりたいことに当てはめて考えてみてください。
☑ 地方で起業になんとなく、興味があるけど、なにしたらいいか全くわからない!
事業を決める
なによりも最初に必要なのは、
*なんのために(なにを達成するために)
*どんな事業をするか
ということです。
ここが起業の核となる部分なので、時間をかけて大切に育てていってください。
とはいえ、最初に決めたことを変えてはいけないと言うことではないので、最後は「えいや」で進んでも大丈夫です。
事業をやっていくと選択を迫られる場面がいくつも出てくるので、そういうときに立ち返ってみるのが「そもそもなぜ、この事業をやりたかったのか」ということ。
選択だけではなく事業が上手くいかない時の心の支えになったりもするので、最初にここを考えておくのはすごく大切なことです。
個人事業主もしくは法人
*個人事業主
*法人
一般的には、売上が大きくなれば、法人にした方が税制優遇され、(売上の割に)税金が少なくなると言われております。
その境目は、売上1,000万円と言われていますので、多くの人は、まずは個人事業主として始めれば問題ないかと思います。
その理由は、宿事業を将来的にどなたかに引き継ぎたいと考えていたからです。
宿泊業の許可は運営者が変わらないと永遠に有効なのですが、運営者が変わってしまうとその時点で許可を取り直ししなければなりません。
法人化するデメリット
法人住民税均等割
売上があってもなくても、大きくても小さくても都道府県や市町村に収めなければいけない税金が、1年毎に7万円発生すると言うこと。
つまり、利益が7万円超えないと税金を支払うために赤字となってしまいます。個人事業主はこのような売上に関わらず収めなければいけない税金はなく、赤字だと税金を収めなくてもよいので、最初は個人事業主スタートをオススメします。
屋号を決める
屋号とは「〇〇企画」、「〇〇商店」、「〇〇事務所」など、あなたの事業者としての名前です。法人だと会社名にあたる部分ですね。
今後、会計処理をするときも、税金の申告をするときも記入していく名前なので、しっかり考えてください。
このあと説明する開業届提出の際にも「屋号」を記入する欄があるので、開業前に決めておくのがオススメです。
*屋号がなくても開業することはできます!
事業のロゴマークをつくる
屋号や事業が決まったら、ロゴマークも作ってみましょう。
ロゴマークまで必要ないと思うかもしれませんが、屋号プラスロゴマークの方が事業としてしっかりしてそうなイメージを与えることができます。
あとはなんたって自分自身のモチベーションがあがる。
事業を作るのにはモチベーションが必要なので、そのモチベーションを維持する一つの工夫としてロゴマークを作ってみるのもオススメです。
と思う人もいますよね。実際、僕自身もデザインセンスのかけらもないので、ロゴは発注しました。
しかし、、、他の仕事でロゴづくりを見たことがあって、デザイン料5万円、、、とかの請求書を見て、ビビっていたのですが、結果的に500円で作ることができました!
その方法は・・・「ココナラ」
個人でスキルを持った方が、サービスを販売しているサイトです。
ロゴ制作に関わらず、チラシ作成やアドバイザーなど多種多様なスキルが販売されています。
僕がロゴを作った当時は最低価格500円だったのですが、今はロゴ作成だと4,000円が最低価格となっています。
とはいえ、業者さんに発注すると高額になってきてしまうので、気軽に発注できる価格として4,000円はありだと思います!
とはいえ、正直なところ個人でされているのでクオリティにはバラツキがありますし、デザインだから自分自身との相性もあります。
ですので、価格だけではなく過去の制作物や口コミなどを見て、自分に合うかどうかを確認してから発注することが大切です。
開業(or法人設立)手続きをする
法人の設立は様々な手続きがあり少し複雑なので、別の機会にお話するとして、今回は「個人事業主の開業手続き」を説明します。
と身構える人もいるかと思いますが、実はめちゃくちゃ簡単。
以上・・・
多くの人から「思ってたよりも簡単だった」と感想が聞こえるほどです。
提出する書類の様式は国税庁のWEBサイトから印刷することができます。
書類はたった1枚でOK!
書き方も国税庁のWEBサイトに載っていますので、まずは書いてみてください。
もし、間違っていても提出時に窓口で修正部分を優しく教えてくれるので大丈夫です。
とはいえ、
と思うかもしれません。そんなあなたにオススメなのがクラウド会計ソフト「freee(フリー)」
完全無料で、項目を埋めていくだけで開業届が完成するので、とても簡単です!
営業許可を取る
事業の種類によっては、保健所やその他の行政機関の許認可を受けなければいけないものが多数あります。
宿泊業、飲食業、中古品販売、不動産業、旅行業、運送業など。
これらを許認可なしに始めると、営業停止などの処分を受けるだけではなく社会的な信用も失いますので、自分がこれから始めたい事業が許認可を必要かどうかは必ず調べてください。
また許認可には何箇所かまわったり、日数が必要なものもあるので、開業したい日に合わせて逆算して準備しておくことが大切です。
事業口座をつくる
事業を始めると、売上が入ったり、仕入れ代金を支払ったりとお金の動きが発生してきます。
個人事業主なので、事業専用口座は必須ではないのですが、会計処理や税務調査対応などを含め、事業用口座を生活費の口座とは分けておきましょう。
メガバンク、地方銀行、ネット銀行と種類は様々ですが、正直どこでも良いと思います。
僕の場合は、当時知り合いの銀行営業さんがいた「福井銀行」で口座を作りました。というのも、個人ではなく法人での開設だったので、審査やら書類やらがややこしかったんですね。知り合いの方が助けてくれるというところが大変心強く、福井銀行を選びました。
ちなみに、知名度もあるからメガバンクと考えるかもしれませんが、個人でつくる法人の場合は取引金額が小さすぎて相手にもしてくれません。
一方、個人事業主だと「個人」扱いになるので、メガバンクであれ、地方銀行であれ口座開設はできると思います。ただし、銀行が大きくなればなるほど、維持手数料や振込手数料が割高になってくる傾向なので、注意が必要です。
僕の周りの個人事業主は、ネットバンクをフル活用して、振込手数料などを安く収めているので、特にこだわりがなければネットバンクが良いかもしれません。
選ぶポイントとしては口座名義に「屋号」をつけられかどうか。
お客さんから振り込みをしてもらうときに「名前」だけではなく、「〇〇企画+名前」の口座の方が、なんとなくだけども安心と思ってもらえますよね。
事業はとにかく信頼が大切。だからこそ、屋号つきの銀行口座をおすすめします。
楽天銀行なら、個人ビジネス口座という個人事業主用の口座を作ることができます!
個人の口座を持っていることが開設条件なので、まずは個人口座を作っておきましょう
ジャパンネットバンクから改名となったPayPay銀行も、個人事業の強い味方になりそうです。
会計ソフトを入れる
昔ながらの手書きやExcelで管理している人もいるかもしれませんが、会計ソフトを使うのが圧倒的におすすめ!
年間25,000円程度かかるのですが、それを超える便利さがあり、使っています。
最大の特徴は
と思っている方にもわかりやすい入力フォーム。
これは、簿記3級の勉強を断念した僕でも使えるので、間違いないです笑
ユーザーが多い、
*弥生会計
*会計free
なら、WEBで使い方を検索すると答えも出やすいのでオススメです!
自分で事業をするときに「自分で調べて解決する」ことが多いので、ユーザー数が多いと情報もたくさんあり、助けられることが多いのでユーザー数が多いものというのも選択肢のひとつになると思います。
備品を揃える
開業したときは様々なものを揃えないといけないので、費用がかさみがち。だからこそ、お金をかけるものとかけないものをしっかり分けていくのがポイントです。
事業の種類によって、必要な備品が異なってくるので、ここでは詳しくはお伝えできませんが、どんな業種でも割と必要になってくるのが「パソコン」
と思うかもしれませんが、事業をやっていて様々な書類を作ったり、経理をするにはパソコンがあると、格段に効率が上がります。
種類が多すぎてわからないとは思いますが、安く済ませようとするのではなく、ある程度お金をかけるポイントだと思います。
なぜかというと安いパソコンだと、処理に時間がかかり、結局のところ、作業効率が落ちるという場面が数多く存在するからです。
インターネットで検索表示にせよ、Wordなどで文章を打つにせよ、多くの場面で使うものだからこそ、お金をかけてもいいのではないでしょうか。
WEBサイトをつくる
今や事業をしている人なら当たり前に持っているWEBサイト。
あなた自身もなにかのサービスを購入しようとしたときにネットで調べるのが当たり前になっていませんか?
特に地方で事業をしている人は、WEBサイトを持っていない人が多いので、地域名で検索されればその時点で他の事業者さんよりも有利になるのです。
そして、WEBサイトがないと「ここ、本当に営業してる?」と思ってしまうのは、今や誰もが持っている感覚なのではないでしょうか。
ですので、事業をする場合は、WEBサイトは必須!
個人で事業をやっているのであれば、そんなクオリティの高いものではなくても大丈夫です。
大切なのは、サイト自体のクオリティよりも更新頻度を上げること。
個人で仕事をやっているのであれば、お客さんもWEBサイトのクオリティの高さはあまり求めていません。それよりも求めているのは最新情報と確実な情報。
時代が変化しやすい今だからこそ、更新を頻繁にして、丁寧さと営業していることをアピールしていきましょう。
先ほど紹介した「ココナラ」でWEB制作を請け負ってくれる人も多くいらっしゃるので、予算や実績にあわせて依頼してみてください。
決済システムの導入
考えている事業が店舗系(宿、カフェ、ショップなど)であれば、決済システムの導入が必要です。
もちろん、「現金のみ」だと、手持ち金庫と領収書さえ準備すれば大丈夫かもしれませんが、今やクレジットカードやQRコード決済などキャッシュレス化の流れが確実に来ています。
キャッシュレスに対応していないと、自分の店舗を選ばれる理由にはなりづらいかもしれないけれど、選ばれない理由になる可能性はあるのです。
クレジットや交通系ICカードなどでもiPhoneやiPadがあれば、簡単な端末を導入するだけでOK!
オススメ決済方法① PayPay/QR決済
大規模なキャッシュバックキャンペーンなどの効果によって一躍有名になったQR決済の王様PayPayは、全国で3,500万人のユーザー登録があります。
契約をすると店舗ごとにQRコードが発行されて、それを印刷するだけですぐに使えます。契約後、プラスチックのスタンド(よく見るあれです)も送られてきます。
オススメ決済方法② スクエア(Square)/クレジット決済・電子マネー
対応決済手段:クレジットカード、交通系ICカードなどの電子マネー決済
必要機材:スマホ(iPhone・Android)、iPad
必要な専用端末:7,980円。
*これだけだとレシートの発行ができないので、レシートを発行したい場合は、レシートプリンターの購入も必要です。
他のシステムにはない特徴が「請求書」
これは顧客にメールで決済案内を送りクレジット決済をするというもの。
オンライン販売や事前カード決済に対応することができます。
僕の場合は、宿でオンライン宿泊というオンラインだけで完結するイベントをやっているので、その参加費をいただくために活用しています。
この請求書機能だけを使うのであれば、専用端末やスマホ、iPadは不要なので、使い方によっては初期費用0円で始められるのも強みです。
オススメ決済方法② AirPAY/クレジット決済・電子マネー・QR決済
大手リクルートが運営している決済システム。
これもクレジットカードや交通系ICカードなどの電子マネーにも対応。
また、PayPayやD払いなどのQR決済にも対応しているので、AirPAYだけで、ほとんどのキャッシュレス決済に対応可能というのも強みです。
対応決済手段:クレジットカード、交通系ICカードなどの電子マネー決済、PayPay、LINEPay、D払いなどのQR決済
必要機材:スマホ(iPhone)、iPad *Androidは不可能
必要な専用端末:2万円。無料貸与キャンペーン中につき、0円
*これだけだとレシートの発行ができないので、レシートを発行したい場合は、レシートプリンターの購入も必要です。
最初に必要なのは、iPhoneかiPadだけというのも気軽に始められるポイントです。
事前決済をスクエア、現地決済をPayPayもしくはAirPAY
という使い分けをしています!
まとめきれないけど、まとめ
今回は、なにか事業を起業するときの流れについてお伝えしました。しかし、事業は星の数ほど種類があるので、今回ご紹介できたのはごく一部に過ぎません。
なので、今回の開業準備では網羅できてない部分もありますので、自分が開業したい業種と同じようなことをやっている方を参考にやってみてください。
宿関係であれば、僕も経験しているのでお気軽にご相談ください!
けど、本当に大切なのは「まずは動いてみること」です。実際、想像しているよりも簡単だった部分と、想像してなかった難しい部分が出てきます。しかし、それは動いてみないとわからないことなので、まずはリスク少なく、動いてみることをおすすめします。
僕は地方移住して起業したいと思っているあなたを応援します!