地方移住して8年目、複業家として暮らしている、ナカタニ ショーです。
福井県で地域をまるごと体感できる宿の運営をしたり、観光協会の事務局をやったり、オンライン講座の運営、農家さんのお手伝い、ブログなどで8個の収入源で暮らしています。
最近、改めて思うのは、“本”のすごさ。
著者が経験してきた成功や失敗をふんだんに盛り込んだ書籍は、先人たちの知恵が多く詰まっている知恵の宝庫なのです。
出版されるには厳しい道程がある
そもそも出版社から出されている書籍(自費出版を除く)は、編集者などによって著者が評価されていないと執筆のオファーすら来ません。
当たり前ですが、出版社にとって書籍が売れないと収入は一切ありません。例えば、印刷会社に印刷を発注して印刷費を支払うなどの投資を行って出版までたどり着くのです。
しかも、印刷されるまでに多くの人のチェックを通ります。書籍に載っている情報が間違っていると、読者からの信頼を失っていくからです。
つまり、出版された時点で書籍は、多くの人から“合格”とされた良質な情報が詰まっている可能性が高くなります。
地域おこし、地方移住の分野でもオススメの書籍は多いのですが、読む人が少ないからか、書店には並びづらく見つけるのが大変かもしれません。
そこで今回は、地方移住したいと思った人でも特に「地域のなにかに関わりたい」「起業したい」と思った方に役立つ書籍を紹介したいと思います!
地方起業の必読書!「進化する里山資本主義」/藻谷 浩介著
地方起業では、都会の大きな会社と戦っても勝てない
だからこそ、”その地域の資源”を活用した事業をしていくのがポイントなのです。
里山はかつて「燃料」や「建材」として売るために杉を植えてきました。
田舎に行き、山の手前に同じ緑色が並んでいるのはそのためです。
しかし、今となって杉は燃料としても使われず、
建材としては外国産の安い木材が輸入されたことにより、売上が激減しました。
切り出して、持っていくのにお金がかかります。
つまり、切り出すとマイナス
田舎では思ってた以上に「自分の山」を持っている人が多く、
みんなが里山=負債だと感じています。
そんな里山には実はお金になる素材がたくさん転がっているのです。
確かに、燃料や建材の産地として里山を見ると収支はマイナスかもしれません。しかし、それ以外の視点から見ると里山はまだまだ”宝の山”なのです。
みんなにとってマイナスに見えていたものをプラスにすると事業としても有利になる。
なぜなら、マイナスと思われていると原価が安くなるから。
原価を安く仕入れて、価値をつけて高く売るのが商売の基本です。
☑ 田舎の経済に興味がある方
☑ 地方でなにか起業したい方
~地方でなにかしようとするときの「あるある!」をストーリー仕立てで読みやすく~
「地元がヤバい…と思ったら読む 凡人のための地域再生入門/木下斉著
すでに関わっている人なら、何度もうなづくこと間違いなし
今までの地域活性化の書籍にありがちな「事例や理論」を固く書き連ねられたものとは異なり、
全体的にはひょんなことから地元を活性化することに関わることになった会社員の主人公の学びを中心に物語が進んでいくので、読みやすい内容となっております。
衰退最中にある地方の商店街で商売を営む母を持つ息子が主人公。
母に呼び出され地元に帰ると、店を閉めて建物などを売却するという相談をされます。驚きつつも同意し、売却に向けて動いている最中、市役所や商店街の旧来から続く補助金頼りの地域活性化につながらないイベントに巻き込まれるのです。
イベントは集客面でも失敗し、地方の現実を突きつけられたところで出会ったのが、今は近隣で空き家を再生して開業した飲食店5店舗を経営するかつての同級生でした。
事業によって地域の経済を回している同級生の姿に、感心をしていた時、実家の店舗を売却するのではなく、新しい事業としてやっていかないかと提案を受けます。
一度売却する予定で銀行と進んでいた話を覆し、商店街にある実家を新しい事業化していく中での失敗や成功体験。果たして実家をリノベーションした事業は、地域の経済に役に立つのでしょうか??
それぞれの印象的な出来事に対しての著者の補足では、全国で起こっている地域おこしの現状に対しての解説がしっかりと書かれていて理解が進みます。
☑ 初めて「地域おこし」に触れる方
☑ 地方都市でなにかをやりたい方
ナリワイをつくる: 人生を盗まれない働き方/伊藤洋志著
かつての人々は暮らしの中で必要とされることを仕事にして生計を立ててきました。
その仕事をすることで自分自身のスキルを高め、頭と体を鍛えてきた時代があります。
しかし今では、自分の時間を切り売りし、成長しない仕事で消耗するだけという働き方をしている人が多くなっているのではないでしょうか。
「仕事は我慢して働くもの」と思っていませんか?
本書では、自分を犠牲にして働く「就職」ではなく、自分自身で暮らしを作る方法を紹介しています。
まずは、人生における支出を点検し、カットする。今までの都会暮らしとは異なり、地方で固定費の少ないところで暮らすのもひとつのカット方法かもしれません。
そして、自分自身の好きなこと、得意なことでナリワイを作って、実践してみる。
そう言われても、自分はできないと思ってはいませんか?
大丈夫です。ナリワイ的思考を身につける実例が入っており、考える機会が多くあるので、
自分自身に合ったナリワイを見つけていくことができるように成長していきます。
「地方に仕事がない」と言われますが、本当は仕事がないのではなく「就職する会社が少ない」「就職先が選べない」と言うこと。
そんな地方移住の課題となる「仕事」ですが、地方には仕事を自分で作ることができる、ナリワイの種がたくさん転がっています。
☑ 地方移住したいけど、仕事に困っている方
☑ 漠然と「起業」したいけど、なにを販売したらいいか、わからない方
神去なあなあ日常 (徳間文庫)/三浦しをん著
この小説のタイトルは知らなくても「映画WOOD JOB!」であれば、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
主人公は、高校の先生が勝手にエントリーした制度で、神去村に送り込まれ、林業を学びつつ、地域のコミュニティと関わっていきます。
そこで描かれているのは、農村部のリアルな日常や風習、住民の気質など。
僕自身は経験したがないことでも、移住した友人からは聞いていて「あるあるやなぁ」と思うようなシーンが描かれていますので、移住前に、ぜひ読んでほしい。
実際はここまで極端ではないかもしれないですが、
外からの移住者がどのように思われる可能性があるのか、どうやって地域の人の信頼を得ていくかがわかり、
ご自身が移住したときになにが起こるのかをある程度覚悟していくことができます!
☑ 都会でしか暮らしたことがないので、田舎の感覚がわからない方
☑ 移住してやっていけるのかが不安になっている方
▼文章を読むのが苦手な方は2時間で見れる映画「WOOD JOB!」
書籍ではなく、もっと気軽に!!
書籍を読むのもいいですが、もっと効率的にピンポイントで情報を収集したい方はブログもおすすめ!
・温泉おたくのち夫婦移住
「移住は若い人たちだけのもの!40代を超えた自分には無理だ」と思っていませんか?
このブログは40代で移住したふーちゃんの経験談をもとに書かれているので、参考になる情報がたっぷり!
まとめ
今回は、地方移住する人におすすめ書籍を紹介しました。それぞれが地方移住に対する知恵が詰まっているので、どれも読んでほしい書籍ですが、どんな方におすすめかを書いてますので、気になったところがあれば、読んでみてください。
転ばぬ先の杖。地域では都会とはあり得なかったようなことが当たり前に起こることがあります。
これを事前に知っているか知らないかで、気持ちのショックや対応が変わってくると思います。そのお守りとして知恵を持ってください。
とはいえ、書籍での知恵も限界もあるので、ある程度を知った上で、えいやと飛び込んでみるのが最大の学びになるので、知恵を求めすぎず、経験していくことが大切なのです。